何が食欲をコントロールしているのか?

頭ではもうやめようって思ってるのに、
食べすぎってわかってるのに、
ついつい食べすぎてしまう。。。

食欲をコントロールしているのは何なのか?

その答えを探るために、
昆虫学者である筆者らは「バッタ」から研究を始めました。

科学者たちが語る「食欲」
〜食べすぎてしまう人類に贈る食事の話〜
デイヴィッド・ローベンハイマー、スティーヴン・J・シンプソン著

その答えは「タンパク質」だと彼らは言います。

でも多ければいいというわけでもなく、
いつも最適な量を目指して食べているそうです。

だから、タンパク質が得られないと、
どんどん炭水化物を余計に食べてしまい、
太るということが起きます。


そして、
タンパク質量が十分となれば、もうタンパク質を食べなくなる
のだそうです。
「タンパク質中毒」がおきて、もう食べられなくなります。

そういえば、私も「焼肉」店に行ったとき
(実は人生で数回しか行ってない w)
最初は美味しく食べていたのに、あるところにきたら、
パタっと食べられなくなり、
その後のお肉がとても苦痛になったことがありました。

高級なお肉だったので、
もったいないからがんばって食べましたが w

また、ハエの興味深い実験結果がありました。

詳細は割愛しますが、
・ハエは「高タンパク/低炭水化物食」で最も早く死んだ
・産卵数が最も多かったのは高タンパク食
となりました。

高タンパク食をすると、繁殖
高炭水化物食をすると、寿命
が優先されるというのです。

これは酵母細胞、バッタ、ラット、サルなどの
実験でも同じ結果が得られています。

食料が豊富で十分なタンパク質が得られるときには、
長寿経路は停止し、成長・繁殖経路が作動します。

どちらを優先したいですか?

いや、人間とハエは違うし!と反論したあなたへ。

マウスの実験でも同じように「低タンパク質・高炭水化物」
が寿命を伸ばしたというデータがでています。

そして、この本ではもちろん人の実験もしています!

その結果、人もハエと同じようにタンパク質比率15~20%を
目指して食べていたそうです。

脂質に関する考察もありました。

低タンパク質/高炭水化物で長寿で健康だが太っていたマウスと、
低タンパク質/高脂肪食の同じくらい太っていたマウスを比較すると、
後者の集団では寿命が短い上にかなり不健康だった、そうです。

理由としては高炭水化物食のマウスの方が腸内細菌叢が健康だったことと、
FGF21(線維芽細胞成長因子21)というホルモンが高かったことをあげています。

脂質の摂りすぎはやはりよくないようです。
(もちろん良質な脂質を適量とることは重要ですが!)

というわけで、お米を食べて(良質な炭水化物)ちょっとぽっちゃり
しているくらいが、一番長生きできるそうですよ♪

そして、理想的なタンパク質比率(総カロリーに対して15~20%)は
年齢によっても変わるので、

・妊娠中はタンパク質摂取量を増やす
・40~65歳くらいの中年期にはタンパク質は少なめ(10~15%)で
健康的な炭水化物は多めで健康的な脂肪をほどほどに含むようにする

のが良いようです。

この本、まだまだ面白い話がたくさんのっているので、
もっと詳しく知りたい方はぜひ手に取ってみてくださいね♪

私の感想としては、摂取するタンパク質の種類や
個人の体格・体質などによる差も大きいとは思うのですが、
生物学的に理想値はどこにあるか?
という研究はとても興味深いと思いました。