DNAワクチン、腸管免疫 ~webinarレポ~

『with コロナ時代における食・栄養の重要性と免疫制御』

リポニュートリション協会 地曳直子さん主宰のwebinarレポを遅ればせながらお届けします。

今回はワクチンと腸内環境などの専門家である國澤純先生のお話でした。

約2時間の濃厚なセミナーから、私が気になった点をいくつかピックアップします!

1.  新型ウイルスに対抗するため開発が進められているDNAワクチン

現在日本国内で承認されているワクチンには、
生ワクチンと不活化ワクチンの2種類があります。

これらにはそれぞれメリットデメリットがありますが、
共通して言えるのはどちらも原因となる細菌やウイルス等を用いるため、
それらを特定したり最適化するのに時間がかかり、
開発に時間とコストがかかるということが言えます。

(ここでワクチンの是非に関しては不問とします)

現在急ピッチで開発が進められているCOVID-19に対するワクチンは
次世代ワクチンとも言われる『DNAワクチン』です。

これは、病原体を構成する成分のDNAをワクチンにしたもので、
筋肉などに投与することによって病原体の一部であるタンパク質を体内の細胞で合成させ
そのタンパク質に対する免疫を作成させる(=ワクチン)ことで免疫を得ようとするものです。

そのため、

・遺伝子情報がわかればすぐに作製可能
・安価で製造可能

というメリットがありますが、一方で、

・人での使用実績なし

という面もあります。

私の素人考えとしては、
病原体の一部を体の中で作らせた時、
その毒性はその人の免疫で抗体を作る程度のものにきちんとコントロールできるのか?
強すぎることはないのか?

遺伝子を導入することによって、
遺伝子組み替えが起こる可能性はないのか?

など疑問はいろいろ湧きますが、
その辺りもきっと研究されていると期待したいです。

2. 腸における免疫を助けるのはビタミンB1

ワクチンを接種する場合であっても
その人の免疫がきちんと働いていないことにはワクチンの効果は得られません。

そこで大事になってくる栄養素の一つとして
先生はビタミンB1(チアミン)との関係性を指摘されていました。

腸は体内における最大の免疫臓器であることはよく知られています。

腸管にはパイエル板という場所があり、
そこでは体内に進入してきた細菌やウイルスの情報を
B細胞、T細胞、マクロファージなどに伝えたり、
IgA抗体を分泌するなど、免疫においてとても重要な役割があります。

パイエル板は米粒半分くらいの大きさで
人の小腸には数百個程度あるそうです。

そのパイエル板はビタミンB1が欠乏するととても小さく縮んでしまうそうです。

また、やはりこちらも免疫に大切な器官、
脾臓、リンパ節、胸腺においてもビタミンB1が欠乏すると同じように縮小
することが確認されています。

なので、『ビタミンB1が欠乏すると免疫不全状態がおこる』のです。

セミナーの中では、これらの器官が小さく縮んだ写真を見せてくれました、
お見せできないのが残念です。。。

3.  ビタミンB1を効率的に使うには

ビタミンB1は腸内細菌からも産生されますが、
食品だとうなぎ、豚肉、大豆、玄米などに多く含まれています。

ビタミンB1を体で有効利用できるようにするためには他の栄養素 アリシン
が必要でニンニク、玉ねぎ、ニラなどに含まれています。

また、これらを活用するにはチアミナーゼという分解酵素が必要で
これら蛤やアサリなどの二枚貝、鯉や鮒などの淡水魚、わらびやゼンマイ、
あるいは腸内細菌の一部に含まれています。

これらが揃うことで、アリチアミンという形になり
より有効に利用される形になっていきます。

食べ合わせを考えたり、腸内細菌環境をよくするのは大切ですね。

ビタミンB1 +アリシン →(チアミナーゼの関与)→ アリチアミン
        

長くなったので、
次回は脂肪酸とアレルギー、炎症反応に関しておもしろい知見を書きます♪


↑國澤純先生、reserch mapより写真をお借りしました