石見銀山と銀のレメディー
先日、世界遺産「石見(いわみ)銀山遺跡」に行ってきました。
銀鉱石を採掘するための坑道は「間歩(まぶ)」と呼ばれるそうです。
私たちが行ったのは龍源寺間歩でした。
入り口周りにはシダが生えていて、
これは貴金属を好む種類のヘビノネゴザという種類だそうで、
銀などを発見する手がかりになったそうです。
実際に見学した坑道はこちら、
自分でいい写真が撮れなくて、これはパンフレットの写真です(汗)
見学用の道はこんなに明るくて広いのですが、
実際は人が一人ギリギリ通れるくらいの広さで、
サザエの殻に油を入れた螺灯(らとう)一つだけで、
真っ暗な中を一人で掘り進んでいったそうです。
坑夫は一日中、日に当たることなく作業をし
また塵肺など鉱山病にかかることが多かったため、
ほとんどは20代で亡くなったそうです。
30歳を迎えることができたら、お頭付きの魚でお祝いをしたそうです。
真っ暗で狭い間歩の中に
何年もいるのはどんな気持ちだったのでしょう?
***
銀のレメディーに
Argentum nitricum (Arg-n.; 硝酸銀)があります。
Arg-n.のマテリア メディカ(レメディーの解説書)をみると、
・乾燥し、干からびた、早老の人
・暗闇への恐怖
とあります。
以前、授業で習った時も、Arg-n.は恐怖が多いレメディーで、
特に「閉所恐怖症のトップレメディー」でした。
時間の認識が狂っているため、
ほんの1時間を1週間くらいに感じたり、
逆に数ヶ月を1日くらいに感じてしまったりします。
空間の認識も狂っているため、
壁が迫ってくるように感じたり、
高いところにいると落ちるのではないかと感じたり、
また下から高いところを見上げるのも
恐ろしいと認識するレメディーです。
そして、何より予期不安、心配がとても大きくて
未来に対する不安、何か悪いことがおこるのではないか?
といつも心配しています。
病気への恐れもとてもたくさんあり、
特に脳の病気、癌が怖いと感じます。
恐怖体験など、尋常でない活動によりおこった症状にも
使えるためPTSDのレメディーでもあります。
そしていつも時間がないと感じ焦っていたり、慌てているような人です。
これって、おそらく銀を掘っている人が
感じることそのままだなと思いました。
坑夫は自分の体が通るだけの穴を掘り、
真っ暗な中、何時間もそれを一人で続けているので
きっと時間や空間の感覚は狂うでしょう。
周りの人もどんどん若くして亡くなっていき、
自分の将来に不安を感じないわけはないと思います。
その結果、10代20代という若さでも
老けた風貌になっていくのではないでしょうか?
Arg-n.のレメディーが使えるのは
こういう状況の時だということがとてもよくわかりました。
***
そんなことを思いながら間歩を抜けて、
明るい外に出た時は
嬉しいというよりなんだか悲しい気持ちになっていました。
とても貴重な体験でした。