癌の最新食事療法セミナー
今や栄養界のカリスマ、吉冨信長さんの
「ガンの最新食事療法&栄養セミナー」を動画受講しました。
癌のクライアントさんのために、私自身これまでもいろいろな情報を集めてきていました。
でも今回は冒頭より、びっくりな情報がありました。
なんと、それは「ワールブルグ効果の呪縛から解き放つ!」ものだったのです。
これまで、栄養学的な癌の食事療法は
一般的にワールブルグ効果を元にして考えられていました。
ワールブルグ効果
Warburg効果(好気的解糖).Warburg効果とは,50年以上前にOtto Warburgが観察した現象で,がん細胞は有酸素下でもミトコンドリアの酸化的リン酸化よりも,解糖系でATPを産生する現象である.グルコースは解糖系で代謝された後にミトコンドリアに入ることなく,乳酸に変換される.解糖系は酸化的リン酸化と比較して,ATP産生速度は速いが効率がきわめて悪い.その結果,がん細胞は大量のグルコースを消費することになる.
参照:実験医学online
わかりやすく言い換えると、
・健康な人の場合
酸素がない状況では解糖系が亢進→エネルギー産生効率悪い+乳酸を産生する
酸素がある状況ではミトコンドリア系が亢進→エネルギー産生効率良い
・癌の人の場合
酸素がある状況でも解糖系が亢進→エネルギー産生効率悪い+乳酸を産生する
というわけで、癌細胞は酸素があってもエネルギーをたくさん消費してしまい、
さらに乳酸を作ることで、周りを酸性環境にすることでさらに癌細胞にとって
居心地のいい環境を作ってしまうのです。
そのため、癌の人は解糖系を亢進するような糖(グルコース)をとらないようにする!
というのが、ワールブルグ効果に基づいた鉄板の考え方だったのです。
しかし、最新の研究ではワールブルグ効果は複雑な癌の代謝の一部に過ぎず、
これだけでは説明できない癌の代謝がたくさんあることがわかってきているのだそうです。
だから解糖系を亢進するような糖(グルコース)をとらないようにする!
と言う部分は否定されています。
今では癌の増殖にはグルコースよりグルタミンの方が多く関わっている
ことがわかっているそうです。
だから、吉冨さんは癌患者さんのための食事療法として、
①ケトン食(高脂質+中タンパク+低糖質)
②バランス食(脂質+タンパク質+糖質をバランスよくとる)
という選択肢を用意していました。
栄養療法のこれまでの常識だとケトン食が第一選択だったのでこれはとても驚きです。
ただ、私自身の経験としては癌のクライアントさんでケトン食が合わずに
(結果的に)バランス食の方がよかった方もいらっしゃったので、
その理由が理論的に納得できてとてもスッキリしました。
これらの理論を元に組み立てた食事の取り方、サプリの取り方など
とても詳しく濃厚な内容のセミナーでした。
いつも最新の情報を噛み砕いて惜しみなく与えてくれる吉冨さんに感謝しています。
↓講座中でおすすめされていた本!とっても分かりやすいです。