mRNAが細胞に取り込まれるのにどのくらいかかる?

先日のセラピスト向けの勉強会でこの論文を読みました。

”Pfizer BioNTech COVID-19 mRNAワクチン
BNT162b2のヒト肝細胞内での細胞内逆転写について”

https://www.mdpi.com/1467-3045/44/3/73/htm

ファイザー社のワクチン BNT162b2を
ヒト肝細胞Huh7に入れて6時間、24時間、48時間培養しました。

そうすると逆転写はどのくらいおこるのか?

その結果はこちら。

BNT162b2 
Ctrl: 添加なし, V1: 0.5μg/mL, V2: 1.0μg/mL, V3: 2.0μg/mL

結論は、BNT162b2のmRNAは暴露後、6時間
細胞内のDNAに逆転写されることがわかりました。

そしてその濃度は注射した部位濃度の0.5%に相当する
0.5μg/mLで容易に細胞に入っていました。

この濃度に関して、筆者らの説明によると、
”(通常のワクチンの)投与量は0.3mLに30μgのBNT162b2を含み、
注射部位の局所濃度は最高で100μg/mLとなる。”

”同様のインフルエンザに対するmRNAワクチンの実験で
mRNAは肝臓、脾臓、心臓、腎臓、肺、脳などの
いくつかの器官に非特異的に分布し、
肝臓でも濃度は筋肉内注射部位での濃度の
1/100となることが示唆されている”

ということなので、
以前の研究から
肝臓でのmRNAは1.0μg/mLぐらいになることが予測される
ためこの実験系では濃度に決定したそうです。

という訳で、実際に注射した時に近い環境において
わずか6時間で逆転写が始まるということが
この実験からわかりました。

また筆者らはBNT162b2ワクチン接種後に
自己免疫性肝炎を発症したヒトの症例報告
についてもふれていて、今後の研究が望まれるとしていました。

*肝炎に関する引用論文はこちら
Autoimmune hepatitis developing after coronavirus disease 2019 (COVID-19) vaccine: Causality or casualty?

DOI:https://doi.org/10.1016/j.jhep.2021.04.003

そして、6時間後からすでに始まっている逆転写は
mRNAが分解されるまで止まりません。

このmRNAは通常のものとは違って、
体の中で分解されないような工夫がいろいろされています。

いつまでスパイクプロテインを作り続けるのかわからないワクチン
恐ろしいと思うのは私だけでしょうか。